夏じまい

色々と書き残しておきたいことができたけど、ツイートじゃ長くなってしまいそうなのでブログを書くことにした。流石にそろそろブログを動かしたかったというのもある。こういう風に長文を書き殴りたい衝動が極限まで湧き上がらない限りブログが完成しないので、更新頻度が一向に上がりません。

 

本題に入りましょう。

 

この前の週末、滑り込みで夏を取り戻してきた。あまりに楽しく嬉しい夜だったので、覚えておきたいことを忘れないうちに書き残しておこうと思う。土曜の夜、長い人では7年目の付き合いになる同級生たちと、去年から仲間入りした留学生3人も交えてバーベキューをした。去年も同じように集まってから1年振りにみんなでお酒を飲みながらご飯を食べた。何をするにも人目を気にするようになってしまったこんなご時世だけど、夏の思い出をひとつ作るぐらいは許されるだろうか。

 

もう、集まって買い出しに行く時点から楽しくてうきうきしていた。友達の家に戻ってきて、買ってきた野菜を私と件の彼女で下拵えをした。好きな人と2人でキッチンに並ぶ日が来るなんて、一体誰が予想できた?いやこの言い方は少し語弊がありすぎるけど。ピーマンの頭とおしりのかわいさは残念ながら伝わらなかった。ピーマンの種の取り方も違かった。私は上下を落としてから種を押し出すんだけど、彼女は縦半分に割ってから種をくり出すらしい。茄子が共通の好きな野菜だというのも初めて知った。こういう他愛もない話ばかりを果てしなくしていたい。

 

食事中も当然のように楽しかった。最近は夏休みで授業もなくて、家族と話すかバイト先で中学生と話すかしかなかったから、久々に友達に会えると調子に乗って喋り過ぎて後々自己嫌悪に陥るっていうのがお決まりのパターンなんだけど、今回は久々に好きなだけ喋れるという状況がみんな一緒だったので、それぞれが好き勝手に喋ってて本当に楽しかった。長い付き合い故に自然にそうなっていったのかはわからないけど、10人近くいるのにお互いの気の配り具合が絶妙で、その距離感が私にとってはとても居心地がいい。私は今まではあまり自己開示をするような人間ではなかったので、多分みんなにはあまり伝わっていないのだろうけど、実は今いるこの環境がかなり好きだ。卒業まで残り半年しかないし、好きなものは好きだともっと口に出していきたいな。

 

「酔ってきたなー」と件の彼女が言い出すので、「そんなに飲んだの?」って飲みかけのほろよいを持ってみたら3口分ぐらいしか減ってなくてかわいかったな。2、3時間かけてようやく一缶飲み終えてた。もしもこの先誰かと付き合うのなら、自分と同じくらいお酒が飲めるか、量は飲めずともお酒が好きな人がいいな。みたいな感じで、ここはあまり合わないかもな、という点を見つけながら恋愛感情を薄める努力はしている。彼女が元の友達のように接してくれるのだから、私だって今の環境にいる間はただの友達として振る舞いたい。

 

食事も後片付けも終えたあと、近くの河原に花火をしに行った。もうシーズンが過ぎてしまったせいでオーソドックスな手持ち花火は手に入らなくて、僅かな花火を抱えてみんなで夜道を歩いた。手持ち花火が手に入らなくて仕方なく買ったロケット花火が爆音過ぎて焦ったり、そのロケット花火があらぬ方向に飛んで件の彼女のズボンが焦げたり、ネズミ花火が一瞬で燃え尽き過ぎて拍子抜けしたり、手持ち花火を持ちながら踊る留学生の動きが独特で爆笑したり、青春を絵に描いたような時間だった。今年唯一の夏らしい思い出だったかも。

 

その後は夜通し二次会。お酒飲みながら人狼したり、マリカーしたり、初めてカタンしたり、うわー!大学生っぽい!って思える夜だったな。眠くなった人から段々と脱落してって、完全にお開きになったのは朝5時過ぎ。歯磨きして化粧も落として寝る体勢は整えたけど、体に染み付いた劣悪生活リズムと、楽しさ故にハイテンションになっていたせいか全然眠くなくて、なんとなくツイッターでも眺めながら眠気が訪れるのを待っていた。

 

ちょうどみんなが寝始めた頃、だいぶ早い段階で一時脱落していた件の彼女が起きてきて、部屋の隅で横になりながらぽつぽつと会話をしたのが一番良い時間だった。色々と話しているうちにセクシュアリティについての話題に辿り着いたりもした。確か私が、いっそやけくそでマッチングアプリでも初めてみようと思っているが、男性と出会えばいいのか女性と出会えばいいのかわからない、とか言い始めたのが原因だと思う。なんかもう、彼女に告白した時点で同性に恋愛感情を抱くことを知られてるんだし、私がそこからずっとフリーなのも知られてるし、さらに過去には異性に恋愛感情を持っていたことも知られてるし、もう何も隠すことなくない?みたいな開き直りの感情が生まれてしまっている。向こうからしたらいい迷惑だよな。

 

とにかくその日は、朝方だし、酔ってるし、多分3割ぐらい脳が寝てたし、とか色々相まって一方的にかなり開けっ広げに話してしまった。それでも彼女は、私が感じた限りでは、特に否定的な素振りも見せずに付き合ってくれた。それどころかスマホで色々見ながら「このアプリ良さそうじゃん」とか、「こんなに色々分かれてるんだ。分かれすぎじゃない?」とか、知る姿勢が少なからず見えたのが嬉しい驚きだった。2年前、多分これからずっと今までのように接することはできない、とまで言われた相手とこんな話ができるようになるとはな。帰ってから気持ち悪がられたりしてないかな。ちょっと今更ながら後悔が生まれてきたかもしれない。でも、今日も連絡を取っていた限りでは何も変わってなかったから大丈夫なはずだと信じたい。気づいたら彼女は別の部屋に行ってしまっていたし、私も微睡んでたし、もしかしたらあの時間は夢だったんじゃないかとさえ思えてくる。でも、私と彼女の間に生まれた亀裂はきっとかなり塞がったはずで、昔のように他愛もない話を延々とできるし、少しは本音が混ざった話もたまにはできる。それは確かな事実。

 

この記事を書く前に、今までに書いた文章を遡るように読み返してみた。振られた直後の文章を読んでいたら当時の気持ちがまざまざと蘇ってきて、結構泣きそうになっちゃったな。よく1人で耐えてたね。つらかったね、2年と少し前の私。関係を断ち切るための連絡が送られてきてどうしようもなくなって、時間が解決してくれるのを待つしかない、時間しか解決してくれない、と言い聞かせながらどうにか日々をやり過ごした甲斐があった。時間はちゃんと解決してくれるよ。進学後の2年間を想像して絶望に暮れていたけど、その2年間は想像を遥かに超えて案外楽しい日々を送れているよ。あと半年で卒業して散り散りになってしまうのが悲しいほどに。

 

学生最後の夏に滑り込みで思い出ができて良かった。学生2年延長したおかげで、思いがけず結構青春を昇華しながら過ごせている。あと半年、次は冬にでもまた、鍋でも食べるために集まりたいな。集まれるご時世と関係性でありますように。